突然の食あたりが起こる原因と、冷静に処置するための11の対処法

突然の食あたりが起こる原因と、冷静に処置するための11の対処法

暑い時期になると食あたりが気になりますね。気温が上昇すると、熱中症と併せて食中毒のニュースが飛び込んできたりもします。

実は「食あたり」と「食中毒」と同じ意味の言葉で、医学的に正式な呼称は「食中毒」となります。

ただしこの記事では、分かりやすいように「食あたり」として表記いたします。

食あたりの代表的な症状は、

  • 腹痛
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 発熱

などで、非常に激しい苦痛を伴うことも多々あり、ときには命に関わる重大な症状にもなりえる危険な病気です。

そんな食あたりにあなた自身や周囲の人がなったら、突然の出来事でパニックになるかもしれませんが、何よりも冷静に処置することが重要です。

食あたりで命を落とさないためにも、どのように対処をすべきなのか知ってみましょう。

食あたりの3つの原因

食品の鮮度が悪い

食べたものの鮮度が悪く、細菌やウイルスが繁殖をしていると、食あたりに感染しやすくなります。

食品の鮮度による食あたりは、

  • 細菌感染型
  • 細菌性毒素型
  • ウイルス型

の3つに分類することができます。それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。

細菌感染型

細菌の繁殖した物を食べたことで、体内に細菌が繁殖し発生する食あたりです。

腸炎ビブリオ菌、サルモネラ菌、カンピロバクター菌、ウェルシュ菌、病原性大腸菌、赤痢菌、コレラ菌などが主な原因となります。

細菌性毒素型

食べ物にて繁殖した細菌の出す「毒素」によって起こる食あたりです。

細菌感染型とも似ていますが、感染型は体内に細菌が取り込まれてから繁殖をするまでに数時間〜数日・数週間ほどかかるのに対し、毒素型は数時間で一気に発症をします。

黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌などが主な原因となります。

ウイルス型

細菌ではなく「ウイルス」に感染することで引き起こされる食あたりです。

細菌とウイルスの違いは、細菌がれっきとした生物であるのに対し、ウイルスは生物と無生物(結晶)との中間的な性質の物体であることです。

ノロウイルスやE型肝炎ウイルスなどが病原となります。

自然食中毒

毒キノコやフグなど、元々毒性を持っている生き物を食べることによって発生する食あたりです。

食べてから発症をするまでの時間が数十分〜数時間と短く、症状も激烈なものになりがちな特徴があります。

代表的な病原としては、フグ、貝類、キノコ、ジャガイモ、青梅などが挙げられます。

他の動物との接触

人間以外の他の動物と接触をし、そのまま手を洗わずに食事をすることによって発生する食あたりです。

病原としては、特に動物の腸内に生息するカンピロバクター菌や、幅広く生息するサルモネラ菌などが挙げられます。

食あたりの対処法

胃の内容物を全て吐く

食あたりが発生したときに、第一に優先すべきことが、胃の内容物をできるだけ吐き出してしまうことです。

「吐く」という行為は有害な物質を体外へと排出しようとする働きであり、食あたりにはできるだけ吐くことが重要となります。

吐き方のコツとしては、頭を胃の位置より下にして、お腹の筋肉を使って胃に圧力かけ押し出すイメージで行います。

吐く前に白湯などの温かいものを先に飲んでおくと、胃や食道の壁を滑りやすくなり吐きやすくなります。

それでも吐けないときは、指二本を喉の奥に突っ込んでみてください。喉仏付近まで指を入れ「オエ〜」とえずく位置を見つけます。

このとき、爪が伸びていると喉を傷つけてしまうので、気をつけて下さい。

また、吐く際に吐瀉物が気道を塞いでしまわないよう注意する必要はあります。

食事を控える

食あたりを発症したときは、食事を取らないようにしてください。

特に下痢や嘔吐の症状が出ている場合、体力がかなり弱っていることが推測されます。

このときに食事を取ったとしても、消化器官の負担となり消化ができず、下痢や嘔吐などの症状がさらに悪化してしまうことが予想されます。

また、食あたりがそれほど重篤でなくても、症状が落ち着くまで食事を控え、安静に体を休めながら自然治癒するのを待つようにしましょう。

安静にする

体を安静にするための基本となるのが睡眠です。食あたりが起こったときは、とにかく睡眠をとることを優先しましょう。

睡眠は免疫力を上げる効果があるので、食あたりを起こしている病原を殺したり、体外へと排出する活動を活発化させ、治癒をより早めることができます。

ただし、食あたりで嘔吐の症状がある人は、睡眠中に嘔吐した吐瀉物が気道を塞いで窒息する危険があるので、十分に注意してください。

体を温める

全身を温めることは、食あたりの症状を和らげるのに有効です。特に腹部は集中的に温めましょう。

下痢や嘔吐を伴う食あたりは、体温を低下させ、体温の低下は免疫力の低下をもたらし、病原の活動や繁殖をさらに活発化させてしまう恐れがあります。

また、体温の低下は消化器官の機能低下も引き起こし、病原を体外へと排出する活動が停滞することで、回復までにより長い時間がかかってしまう場合もあります。

そのため、布団をしっかりかけて寝るのはもちろんのこと、カイロや湯たんぽなども使用しながら、とにかく体を温めるようにしてください。

病院へ行く

症状が軽い場合には自宅で回復を待つのも良いのですが、症状が重いと分かった時点で病院に行って治療を受けるようにしましょう。

判断の目安としては、以下の項目が一つでも当てはまるようなら、病院に行くようにしてください。

  • 下痢が1日10回以上
  • 腹痛や下痢、嘔吐の症状が2日以上続く
  • 体がふらふらする
  • 意識が朦朧とする
  • 尿量が減少する。半日以上排尿がない
  • 下痢便に血が混ざっている

診療科としては内科、もしくは感染症科が良いでしょう。

また、出血性の下痢や呼吸困難、めまいがある場合、重篤な症状と考えられるため、救急車を呼んだほうが良い場合もあります。

特に血便が出るなら、赤痢やコレラの可能性も考えられるため、即救急車を呼ぶようにしましょう。

赤痢やコレラは毒性が強く、死に至ったり、爆発的感染(パンデミック)を引き起こすこともあります。

病院に行く際に気をつけたいことは、

  • 症状が出る直前に食べたもの
  • あるいは発症の原因

として考えられる食べ物をある程度特定しておくことです。

食あたりは食べ物によっても感染する病原が違い、それに応じて異なった治療を施す必要があります。

それと同時に、

  • どこでその物を食べたのか(自宅か外食か)
  • どのように調理して食べたのか
  • どれくらいの時間を置いて発症したのか

に関しても思い出しておくようにしましょう。

自然食中毒の場合は即救急車を呼ぶ

食あたりの原因が、

  • 毒キノコ
  • フグ
  • 貝類
  • ジャガイモ
  • 青梅

などの毒性による自然食中毒だと考えられる場合、症状が確認されたならば即座に救急車を呼ぶようにしてください。

自然食中毒は食あたりの中でも発症までの時間が短い傾向があり、症状も激烈なものが多いため、命を落としてしまうことも珍しくありません。

ですので、発症をしてから1分・1秒の対応の違いが、その後の運命を大きく左右してしまう可能性があるのです。

自然食中毒の症状としては、代表的な症例として、

  • 腹痛
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 麻痺
  • 呼吸困難
  • 精神異常

などが挙げられます。

特に、呼吸困難が発症していると、比較的短時間で死に至ってしまうことも考えられるので、緊急の対応が必要です。

気道を確保する

これまでにも何度かお伝えしましたが、食あたりで特に気をつけたいのが、吐瀉物が気道に詰まることによる窒息死です。

もし嘔吐の最中に気道が塞がってしまったときは、ただちに吐瀉物を指で掻き出し気道を確保する必要があります。

特に子どもや老人は吐き出す力が弱いため、こうした窒息に陥りやすい傾向があるので注意が必要です。

嘔吐による窒息を起こしている人に対応するときは、できればマスクとゴム手袋を着けた上で吐瀉物を掻き出し、気道を確保してあげてください。

水分を補給する

窒息と並んで食あたりで気をつけたいのが脱水症状です。そして脱水症状を防ぐためには、何よりも水分補給をすることが必要となります。

水分はできればスポーツドリンクや経口補水液が好ましいのですが、すぐに準備できない場合はとにかく水分であればなんでも良いです。できるだけ冷やさず、常温の飲料を選んでください。

ただし、アルコールやカフェインが含まれているものは脱水症状を加速させてしまうため、控えるようにしてください。

また、食あたりの症状が起きている直後や、下痢や嘔吐などの症状が表れ始めた段階では水分補給は控えたほうが良いでしょう。

まずは一通り内容物を出し切ってしまい、少し症状が落ち着いた段階で水分を補給するようにしてください。

薬を服用する

食あたりの症状を抑えるために薬を服用するという方法もあります。

薬を服用して治そうとするのは一般的な対応ではありますが、一方で薬を服用することにはデメリットも存在します。

まず、食あたりの薬として「下痢止め」や「吐き気止め」などがイメージされやすいですが、実はこれらの薬は食あたりの症状をさらに重くし、回復までの時間を長期化させてしまうことにつながります。

これまでにも述べてきた通り、下痢や嘔吐は体内の有害物質を排出しようとする活動です。

下痢止めや吐き気止めは、有害物質(病原)を体内に留めてしまうこととなり、症状の悪化や長期化をもたらしてしまうのです。

こうしたことから食あたりの際には、下痢止めや吐き気止めなどはできるだけ使わないようにし、その代わりに「ビオフェルミン」などの整腸剤を服用するようにします。

また、解熱剤を使用する際にも注意をする必要があります。

食あたりによる発熱は、熱で病原(菌)を殺すためのものであり、熱を強制的に下げてしまうと病原(菌)の繁殖を助けてしまうのです。

その一方で、解熱剤を応急処置的に使うことは良いとされます。

例えば、外出先で食あたりになってしまった場合、解熱剤を使用しとりあえず熱を下げた状態で家まで帰宅をしたり、病院に向かったり、あるいは自宅療養のための食料や飲料水などを買い出しに出かけたりする場合です。

このように闇雲に薬を使うのではなく、そのときどきの状態に合わせて適切に服用をすることが重要になります。

二次感染を防ぐ

食あたりに関連して最も恐ろしい事態といえるのは、二次感染やそれが拡大したことによる集団感染です。

もし身の回りで食あたりを起こした人がいた場合、まずその人を周囲から隔離する必要があります。

また、その発症者を看病するときには、必ずマスクとゴム手袋を付け、決してその人や汚物を素手で触ることがないようにします。

看病に使用した雑巾やタオルなどの布類や、汚物で汚れてしまった衣類などは、すべて処分することも忘れないようにしてください。

また、念のため食器類や包丁やまな板などの調理道具は、加熱をして菌を殺しておくといいでしょう。

75℃以上の環境に1分間つけておくと、ほとんどの菌が不活化します。その他、わさびや胡椒、唐辛子などの香辛料にも殺菌効果があると言われています。

さらに、食あたりの予防策として、魚介類・肉類・野菜の調理器具をそれぞれ分けることが効果的です。特に、まな板の使い分けは強く推奨されています。

もし万が一、二次感染や集団感染が発生してしまった場合、感染の拡大を防ぐためにも、ただちに救急車を呼ぶようにしてください。

柔らかめの食事をとる

食あたりの症状が一段落した段階では、体力の回復を促進させるために、徐々に食事を摂るようにしましょう。

食事内容の目安としては、便の硬さと同じくらいのものを食べるようにします。

例えば、下痢をしているなら、普通に炊いたご飯ではなくお粥を食べるようにします。

もし食べるものに関し、医師から指導があった場合にはそれに従うようにしてください。

まとめ

食あたりから全快するまでの期間は早くて2〜3日程度と言われていますが、病原の種類や症状の重さ、発症者の体力などによっても大きく左右されます。

発症してしまったときは、無理をせずゆっくりと休むようにし、心配であるならば迷わずに病院へ行くようにしましょう。

また、自然食中毒や集団感染は重大な事態に発展する可能性も少なくないため、速やかに医療機関に連絡をするようにしてください。

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